(Ⅰ)
① ヤマアジサイ Hydrangea serrata
日本列島には、ヤマアジサイ、エゾアジサイ、ガクアジサイという3種類が自生している。ヤマアジサイが朝鮮半島南部に分布することを
除けば、この3種類は、日本列島にしか分布していない。
ヤマアジサイは、3種類の中で、最も小型の種類で、変化に富み、盛んに栽培されている。秋に枝を切ると、翌年開花しない。

クレナイ

クレナイ

クロヒメアジサイ

クロヒメアジサイ

伊予の光

伊予の光

伊予の青絣

伊予の青絣

伊予虹

伊予虹

雨山黄金

雨山黄金

歌姫

歌姫

海峡

海峡

近江紅

近江紅

近江姫

近江姫

紅剣

紅剣

紅十字星

紅十字星

済州島

済州島

散布水色

散布水色

紫紅梅

紫紅梅

深山黒姫

深山黒姫

深山八重紫

深山八重紫

瀬戸の夕紅

瀬戸の夕紅

清澄サワアジサイ

清澄サワアジサイ

千代の光

千代の光

祖谷の風車

祖谷の風車

土佐童

土佐童

桃色ヤマアジサイ

桃色ヤマアジサイ

白扇

白扇

白富士

白富士

美方八重

美方八重

マイコアジサイ

マイコアジサイ

豊後てまり

豊後てまり

藍の舞

藍の舞

藍姫

藍姫

新宮テマリ

新宮テマリ

土佐風車

土佐風車
② エゾアジサイ Hydrangea serrata var. yesoensisページ先頭へ
エゾアジサイは、最も雪の深い地域に自生し、冬を雪の下で過ごす北限のアジサイといえる。
北海道から石川県までの日本海に沿った地域に自生し、関東以西の太平洋側にほとんど分布がない。日当たりを好み、
地下水のしみ出る斜面や、斜面と平地のボーダーなどによく見られる。

蛍の舞

蛍の舞

白虎

白虎
③ ヒメアジサイ Hydrangea serrata 'Hime-ajisai'ページ先頭へ
ヒメアジサイは、野生種ではない。このアジサイは、長野・戸隠などの雪深い地方の民家で、
古くから栽培されている大型テマリ咲アジサイが、関東で栽培されている’ホンアジサイ’と異なることに、牧野富太郎が気づき、
’ヒメアジサイ’と名づけた。(1929年、昭和4年)
名前の’ヒメ’は、小形という意味ではなく、お姫様のように優美だという意味で、名づけたといわれている。
④ ガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalisページ先頭へ
ガクアジサイは、装飾花を持つ額ブチ咲の花をつけ、基本的には、両性花・装飾花ともに青色である、しかし、伊豆七島にある個体は、
両性花が青色で、装飾花が白色のものが多く存在している、
海沿いの斜面から、波打ち際近くまで自生が見られることから、’浜アジサイ’の別名もある、
地下水のしみ出る日当り地を好み、耐塩性が高い。
樹高は3m以上となる、大型のアジサイで、日本特産種であり、国外に自生地はない。秋に枝を切ると翌年開花しない。

隅田の花火

隅田の花火

三原八重

三原八重

天竜千鳥

天竜千鳥

伊豆の華
⑤ 園芸アジサイ Hydrangea Garden Hybridsページ先頭へ
園芸アジサイは、「西洋アジサイ」や「ハイドランジア」と呼ばれる品種群を指すが、これらは、日本原産のヤマアジサイ、エゾアジサイ、
ヒメアジサイ、ガクアジサイなどの交雑により作出されたものである。
ガクアジサイは、花が大きく、丈夫で育て易いが、花色が薄く、色幅も狭い。それ故、花色の改良が育種目標となり、ヤマアジサイ、
エゾアジサイ、ヒメアジサイとの交雑が行われた。

夕鶴

夕鶴

ピクシー桂の舞姫

ピクシー桂の舞姫

ピンクレイン

ピンクレイン

黒姫

黒姫

アリラン

うたげ

コサージュ

ダンスパーティ

白班入
[Ⅱ]
① ヤマアジサイ × コガクウツギ Hydrangea serrata × H.luteovenosaページ先頭へ
平地での開花期が、ヤマアジサイは5月下旬~、コガクウツギは5月初旬~と異なるが、山地では、開花期の遅れにより、両種の
自然交雑が起こったものと考えられる。
この種類は、小鉢作りなど小品盆栽風の作品が作り易いが、コガクウツギの性質を受け継いで、排水良くつくることがポイントである。
毎年、植え替えると良い。

酔湖姫

酔湖姫
② コアジサイ × ヤマアジサイ Hydrangea hirta × H.serrataページ先頭へ
ミズシマアジサイ Hydrangea × mizushimarum
③ コアジサイ × ガクウツギ Hydrangea hirta × H.scandensページ先頭へ

奥多摩コアジサイ

奥多摩コアジサイ
④ コアジサイ × コガクウツギ Hydrangea hirta × H.luteovenosaページ先頭へ
天城コアジサイ Hydrangea × amagiana
⑤ トカラアジサイ × ヤマアジサイ Hydrangea kawagoeana × H.serrataページ先頭へ

トカラの空

トカラの空
⑥ 台湾トキワアジサイ × 園芸アジサイ Hydrangea chinensis × H.macrophylla 'Charming Blue Ring'ページ先頭へ
工藤暢宏など、群馬県農業技術センターが育成し、品種登録し、2007年から販売した。
⑦ 常山アジサイ × ヤマアジサイ Dichroa febrifuga × H.serrataページ先頭へ
アジサイ科の属間雑種で、稀有な種類である。
[Ⅲ]
① コアジサイ Hydrangea hirtaページ先頭へ
② ガクウツギ Hydrangea scandensページ先頭へ
自生地は、半日陰で、土壌が深く、豊かである。
③ コガクウツギ Hydrangea luteovenosaページ先頭へ
本種は、排水良く、日当りの良い傾斜地や屋根に自生する。

花笠

花笠
④ ヤクシマアジサイ Hydrangea grosse serrataページ先頭へ
屋久島における自生地は、標高の低いところで、道路沿いなどでも普通に生育している。栽培は、やや気難しい。
⑤ トカラアジサイ Hydrangea kawagoeanaページ先頭へ
トカラ列島に自生し、栽培は容易。
⑥ ヤエヤマコンテリギ Hydrangea chinensis ver. koidzumianaページ先頭へ
見た目は、ヤクシマアジサイやトカラアジサイによく似た大きな葉を有する。
⑦ リュウキュウコンテリギ Hydrangea liukiuensisページ先頭へ
沖縄本島北部の極めて狭い地域にだけ分布する種類だが、栽培は容易。
⑧ 台湾トキワアジサイ Hydrangea chinensisページ先頭へ
[Ⅳ]
① ノリウツギ Hydrangea paniculataページ先頭へ
日本原産のアジサイ属で、テマリ咲品種の”ミナヅキ”は、日本で発見され、シーボルトによってヨーロッパへ持ち帰られた。
性質強健で、耐寒性があり、厳寒の冬でも枯死しない。日当り良く、庭植えとして利用すると良い。
新梢(新枝)開花性で、花芽は春に形成されるので、秋から冬に枝を切っても翌年開花する。

ミナヅキ

ミナヅキ
② アメリカノリノキ Hydrangea arborescensページ先頭へ
北米大陸の東部~東南部に自生する落葉樹である。

グリーンドラゴン

グリーンドラゴン

アナベル

アナベル
③ カシワバアジサイ Hydrangea quercifoliaページ先頭へ
北米大陸の東南部に自生し、秋の紅葉が美しい。
排水良く栽培する。前年枝に花をつけるので、なるべく枝を切らない方が良い。

スノーフレーク

スノーフレーク
④ タマアジサイ Hydrangea involucrataページ先頭へ
福島県以南、岐阜県までの太平洋側の斜面に分布している。
開花期が、夏から秋なので、注目されることが少ない。

ラセイタタマアジサイ

ラセイタタマアジサイ
⑤ ヒマラヤタマアジサイ Hydrangea asperaページ先頭へ
旧来からの ’ヒマラヤアマチャ’ からの新名称である。
日本産のタマアジサイに近縁の種で、中国南部、ネパール、台湾、インドネシアなどに分布している。
花期は、ヤマアジサイより2ケ月、園芸アジサイより1ケ月以上遅く、夏から秋の花と考えた方がよい。
⑥ ヤハズアジサイ Hydrangea sikokianaページ先頭へ
西日本の一部 限られた地域に自生している。
⑦ ツルアジサイ Hydrangea petiolarisページ先頭へ
北海道から屋久島まで、サハリン(樺太)、南千島、朝鮮半島南部に自生する。
落葉性のツル性木本で、気根を使って樹幹を這い登る。
[Ⅴ]
① イワガラミ Schizophragma hydrangeoidesページ先頭へ
北海道から屋久島までの山地と朝鮮半島に自生する。
落葉性のツル性木本で、気根を使って樹幹を登る。
② 常山アジサイ Dichroa febrifugaページ先頭へ
中国南部から東南アジアに分布する常緑性低木。

常山アジサイ

常山アジサイ

常山アジサイ 細葉

常山アジサイ 細葉
③ クサアジサイ Cardiandra alternifoliaページ先頭へ
本種の葉は、めずらしく、互生する。
④ バイカアマチャ(梅花甘茶) Platycrater argutaページ先頭へ
1属1種で、日本と中国に分布する。落葉低木。

バイカアマチャ

バイカアマチャ
⑤ ギンバイソウ Deinanthe bifidaページ先頭へ
[Ⅵ]
① ウツギ Deutzia crenataページ先頭へ

紅花ウツギ マギシエン

紅花ウツギ マギシエン
② バイカウツギ Philadelphusページ先頭へ
前年に花芽ができるので、開花まで、枝を切らないこと。

ベルエトワール

ベルエトワール

雲南バイカウツギ

雲南バイカウツギ
③ キレンゲショウマ Kirengeshoma palmataページ先頭へ
1属1種で、夏の暑さと過湿に弱く、栽培は難しい。
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